マスコミ報道(新聞)

読売

 駅の地下道などで寝泊まりするホームレスを支援していこうと、富山市の市民が「困民丸―路上生活者支援ネット」を設立し、3日、同市牛島本町の牛島公園で、ホームレスを対象にした炊き出しを行った。同ネットによると、ホームレスの支援組織は北陸三県では初めて。

ネット設立の中心となったのは、同市丸の内、村元哲二さん(56)ら市民5人。村元さんは千葉県で会社員をしていた7年前、弁当店で盗みをした男を捕らえた時に、男から「片方の腕を失ったために仕事に就けない」という事情を聞かされ、「社会弱者のため、自分に出来ることをしたい」と思った。昨年10月に会社を辞めて富山に戻ったが、インターネットでJR富山駅の地下構内で生活するホームレスのことを知り、「この人たちに、生きていけるんだという希望を持ってもらいたい」と、知人を通じて知り合った4人と1月末に組織を結成した。

カレーを炊き出し 炊き出しには市民約10人が参加。雪が降る中、テントやストーブ、テーブルなどを持ち寄って設営し、30人分のカレーを用意した。集まった約20人のホームレスは、湯気の立つカレーをおいしそうに食べていた。4年前からJR富山駅近くの地下道で生活している男性(57)は「一番苦労するのは食事。温かいのは久しぶり」と話していた。

富山駅周辺に20人 村元さんによると、富山駅周辺には約20人のホームレスがいる。50〜70歳代が中心で、ケガをして働けなくなった人や解雇された人たちが多い。ほとんどが生活保護などの公的支援は受けていないという。

 ネットでは今後、食事支援のほか生活に関する相談などに支援を広げていきたいとしている。問い合わせは同ネット事務局(076・422・0039)へ。

(2008年2月4日 読売新聞)