富山市、生活保護の男性を献体に
富山市で生活保護を受けていて死亡した男性の遺体が本人の同意を得ないまま学生の解剖実習のため新潟県の大学に引き渡されていたことがわかりました。
富山市によりますとこの男性は生活保護を受けていた56歳の男性で4月22日に富山市内のアパートで死亡しているのが見つかりました。
富山市では遺体の引き取りについて遺族と協議しましたが遺族側は引取りを拒み学生の解剖実習のため遺体を献体することを承諾しました。
このため富山市では本人の同意はなかったものの献体の全国組織「白菊会」を通して新潟県の日本歯科大学へ遺体を引き渡しました。
引き取り手の無い遺体については自治体が生活保護法に基づき埋葬することが定められている一方で死体解剖保存法では解剖のため大学に提供することも認められていて富山市の対応に違法性はありません。
しかし、この男性を含め富山市で路上生活者などの支援活動をしているグループ代表の埴野謙二さんは「人ひとりの死を扱う限りにおいて、もっと慎重さがあってもいいのではないか」と話し倫理的に問題がなかったか市に対し、問題点の検証を求めています。