炊き出しから見えるホームレスの実態

見逃していましたが北日本放送で以下のようなレポートがあったということです

2008年02月05日富山駅前の地下道

2日、富山駅近くの公園でホームレスを支援する炊き出しが行われました。
現在、富山駅周辺にはおよそ30人のホームレスがいて、彼らはこの厳しい寒さのなかでもなお路上で生活しています。
その現状についてリポートです。
富山駅前の地下道、厚着をして歩いていても、出入り口のあちこちから吹いてくる風で肌寒く感じます。
そしてこの地下道で寝起きする人たちにとってさらに辛いのはその床の冷たさです。
「人間の体温がセメントの冷たさに」「温まった分みんなこのセメントに(体温を)とられる」「温まらないから眠れない」
この日、地下道では6人が路上に横になっていました。
ダンボールを下に敷いてはいますが、それでもセメントの冷たさが伝わってきます。

2日、富山駅の地下などで暮らす人たちへの炊き出しが初めて行われました。
実施したのは富山市内のホームレスを支援する有志が結成した支援ネットワークです。
「世の中にこんな人おるんか思ってのぉ」
この男性は県内出身の69歳、16歳から土木関係の仕事を中心に小さな会社を渡り歩いてきたと話します。
20年ほど前からは日雇いの仕事を中心に生計を立ててきましたが、年齢を重ねるにつれ仕事も減り、数年前から路上で生活しているということです。
「年をとった人いろんな人がいる、死んだ人もいる」「空腹と、腹減ったのと、体の熱がここにとられるから、セメントに」「そこに今度は風いろんな出入り口の風があっちの通路、こっちの通路といっぱい開いている」「風がスースーと来るから、例え毛布1枚くらいあっても眠れないわけ。」「そこで体が衰弱していく」「食事が不規則、睡眠も不規則、」「手持ちのお金ないから何も出来ない」

炊き出しを実施した支援ネットワークの村本哲二さん。村本さんによると富山駅の周辺で暮らすホームレスはおよそ30人、そのほとんどは50代から60代が中心で、さらにその多くは生活保護などの公的支援を受けていません。
今回の炊き出しを通し、村本さんは改めて、ホームレス支援にあたっての課題が見えてきたといいます。

村本さんは「住所が定まっていない。これまで経験してきた仕事を活かせない、ですから行政に対する支援の要請も積極的にやっていきたいと思います」
街を覆う雪と冷たい風、ホームレスにとって一層厳しい冬の寒さはまだまだ続きます。