自立を目指し共同生活

 ホームレス支援 『困民丸ハウス』
2008年4月16日 北陸中日新聞

富山 農作業や清掃奉仕も
 JR富山駅周辺の路上生活者の自立を支援する富山市のグループ「困民丸」は、共同生活施設「困民丸ハウス」を同市高園町に立ち上げた。自立に至った人はまだいないが、代表の村本哲二さん(56)は「人的、物的な支援の輪は広がっている」と意欲を見せている。 (林啓太)

 ハウスは木造二階建て。二月十七日にオープンし、現在は五十〜六十代の男性七人が村本さんとともに生活しながら、仕事と住居を探している。

 食事は当番が調理。朝食は午前七時半、夕食は午後六時半に入居者が一緒に食べる。路上生活の時は気ままな生活だった人もおり、協調性を養うためだ。

 敷地内の畑では、協力してジャガイモや大根、イチゴなどを栽培。入居者の一人は「子どものころ家の畑仕事を手伝った。土に触れるのはいいものだ」と草取りに精を出す。

 地域とも積極的にかかわる。ハウス近くの公園を掃除したり、精神障害者の作業の手伝いなどボランティアにも参加する。村本さんは「人とのつながりを回復する中で、公共職業安定所で仕事を探そうという意欲も生まれる」という。

 自立指導、ハウスの運営は苦労も多いが、最近は運営の手助けを申し出る人や、匿名で寄付を届けてくれる人も出てきた。

 市の調査では、市内の路上生活者は一月現在で二十三人。しかし、村本さんは路上生活者向けの炊き出しを行ってきた経験などから「三十人以上はいる」とみており、「格差社会化などで生きづらさを抱える人々が支え合うハウスにしたい」と願っている。

 ハウスの問い合わせは、困民丸=電話076(438)6383=へ。